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Bland New Tea☆Time♪

Bland New Tea☆Time♪

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Phantasy Star Online Destiny 本編13話pso-novel

「黒い野望」
 エリスが洞窟から帰還してから一週間後の夕方


海鷹(カイオウ)総合病院・受付…

 突如、病院内に動揺が走る。
漆黒の軍服を着た軍人達が、病院内に入ってきたのだ。
 「失礼する。軍属のランディース・ハルマー大佐だ。院長はいるか?話があるのだが・・・・」
 「あらぁ?アポを取っていただけないとぉ^^;」
 尊大な上から目線な物言いで、受付のカエデに話かける。
もっとも階級が上と見られる軍人のハルマー大佐の態度に、思わず顔をしかめながらも丁重に断ろうとした
矢先…ハルマー大佐は、真っ赤なボディのキャストに視線を向け指を鳴らす。
 「ライアス軍曹・・・例の物を」
 「はっ!」
 「・・・お前な・・・・赤飯と一緒にいれるなと・・・」
 進み出てきたライアス軍曹のキャスト頭の炊飯器から赤飯と共に一枚の紙が落ちてきた。
ハルマー大佐が、赤飯の粒がついたままの紙をもったまま呆れていた。
 「にゃはは♪ハルマー大佐気にしたらだめにゃ♪」
 長身で銀髪のマリス中佐が笑顔でいう。
騒ぎを聞きつけ、真っ青な巨体のボディをドスドス動かしながら院長KAIOHが現れる。
 「どうした?なんの騒ぎだ?」
 「お初にお目にかける。
  軍部WORKS特殊部隊BLACK・BIRD隊ランディース・ハルマー大佐という。
  以後、お見知りおきを…何、用件は簡単に済むので場所を移させて貰いませんかね?」
  不審な目を浮かべKAIOHが軍人達を見る。
鋭き刃を思わせる冷酷なハルマーの視線に、危険なモノを感じながらも冷静に対応する事に決める院長。
 「ふむ…判りました。院長室へどうぞ…。」
 (ここでもし暴れられた、病院全体に被害が及ぶかもしれんな…)
 院長の心情を読んだように、口元だけニヤリと笑顔を浮かべてBLACK・BIRD隊。
看護師だけでなく、病人達全員がこれから何か災厄が始まる予感を感じていた。


海鷹総合病院・院長室…

 7人の軍人と対峙し、KAIOHが話しかける
 「こちらも忙しい身なのでね。単刀直入に聞くが、話とは何かね?」
ハルマー大佐が
 「フッ…話が早いのはいい事だ。敬意に表し、単刀直入に言おう。
  こちらで入院しているエリス=シンフォニアの身柄をする。こちらが総督府からの命令書だ。」
 先ほどと同じく、口元だけ笑みを浮かべハルマー大佐が前に出てきて先ほどの命令書を渡す。
手渡された命令書の中身を、しっかりと何度も読み直しKAIOHは顔をしかめた。
 「これは、どういうことだね?説明を願おう。
 総督の指示により、この情報は機密保持に該当するため情報の開示はされてないはずだが…」
 「疑問はご最も…空少佐、説明を…」
 鷹を思わせる鋭い目つきをしたキャストがフォトンスクリーンディスプレイを床に置き起動させた。
ブン…と音と共に空中に画像と文章が表示された。
 「ほっほほ。では説明させていただきます。
 エリス=シンフォニアには以下の罪状及び証拠人として身柄を拘束します。」
画像が変わり、洞窟エリアへの侵入とH.G.Sの襲撃の写真が表示された。
 「まず第一に一週間前にシンフォニア家一向が洞窟エリアへの侵入、この時軍の演習目的のため
 周辺一体は危険が想定されるためハンターズの進入を許可していなかった。」
画面が切り替わり、衛星軌道上から撮影されたと見られる侵入の写真が表示される。
 「第二に、H.G.S(ハンターズ・ギルド・スクール)の襲撃時に現れた少女。
  当時エリスは、森の消火活動にあたっていてアリバイは存在しますが・・・」
空少佐がチラッと横を見て黒髪のスタイルのいい少女に説明を促す。
 「え?説明するの?面倒くさいんだけどwwwwあーはい、私サクラ大尉が説明させてもらいますね。
  H.G.Sを襲撃した少女この子は身体的にもエリス=シンフォニアと非常に似通ってるのよね。
  そればかりか、この少女の残した血痕を調べあげた結果、血液型もDNAも酷似してることから
 エリスとの何らかの関係性があるものと疑い調査に乗り出したってこと。」
 「その情報は、こちらも得ている。しかし、家族や親戚はもちろんパイオニア2にそのような少女はいない。
  H.G.Sの件は無関係という結論が出ているではないかね。
  アリバイが存在している以上、拘束する理由にはならないと思うが?」
フッ…と笑いハルマー大佐が、説明を開始した。
 「そう、普通ならそう思われるが…しかし、だ。我々は気づいたのだよ。
 エリス=シンフォニアが、洞窟から帰還してから一切の面会謝絶を断っていること。」
 「それは、現在意識不明の重体であるからと総督府にも説明してある。」
 「では、そのエリスの重体となった原因は何だ?
 そして、エリスの家族が行方不明な事件と関係しているだろうと思われる。
 果たしてその事件の真相とは何であるか?貴方は、知っているはずだ…」
 「………知っている?何を言っている」
 「A.N.G.E.L.S計画。
ハルマーが呟く一言に、 KAIOHの表情が一瞬だけ怪訝な表情に変わった。
 「H.G.S襲撃の件と何があるというのだ?」
 「我々は知っているのだ。エリスの父ロイドと、母レナの開発したあの計画そのものを…」
 「なん…だと…!?」
 「シンフォニア家が行方不明な以上、もっとも関連性が深いと見られるエリスを拘束し事情を確認する
 必要があると思われる。そして、我々が最も知りたがっている計画の全容を把握する必要があるのだ。」
KAIOHが冷静な目つきでハルマー大佐を見る。
 「その理屈はおかしいだろう。
 ハンターズであるエリスの身柄を本来拘束するのならば、全権を担っている総督府であるべきだ。
 軍部が動き拘束するとは…越権行為に該当するぞ。
 ましてや、計画そのものを知る?…お前達は、何をたくらんでいるのだ?」
お互いの視線がぶつかりあい、ハルマー大佐に獣を思わせる獰猛な笑みが浮かぶ。
 「お前に教える必要などない…さっさとエリスの身柄を渡すんだな…」
ハルマー大佐の蒼い瞳が紫色に変貌していく。
 「む…催眠効果か…」
ガクッと膝をつくKAIOH
 「さあ…さあ…早く…早く…エリスの身柄を軍部に移送手続きのための書類に判子を押したまえ…
 それでエリスは…『A.N.G.E.L.S計画』は我々のものだ…!」
体が思い通りに動かないKAIOHが最後の力を振り絞り拳を振り上げる
 「ぬおおお!破岩拳(はがんけん)
地面に叩きつけた拳が院長室全体にヒビが入り、病院全体を揺らす。
 「はああ!」
体勢を崩したハルマー大佐に向かって放たれる再び放たれる破岩拳だったが、
圧倒的なまでの速さで繰り出される一撃が、KAIOHを昏倒させるのであった。
 「ちっ…面倒をかけさせる。」
昏倒したKAIOHの手で判子を押させ、書類を懐に入れる
 「さて…病院関係者及び、入院患者全員に催眠状態に入ってもらおう。
 その後エリスの輸送だな…手早くやれよ。」
 そしてエリスを拘束した軍属の車体は、都会の闇へと消えていった。


軍部の襲撃から30分後…海鷹総合病院…


 「院長ーもってきたぞぉ・w・」
病院の待合室に入ってきたレミ一行は驚きの表情を浮かべる。
 「え〜…どうなってるの?」
マリアが首をかしげ考えてるが答えは出てこない
全員が目が虚ろで瞳孔が開いている者もいるが、そつなく病院関係者は動いている。
 「ひぁ><; きっと宇宙人の仕業…!?」 
 「きゃー>▽<」
 「そんなわけ…あるわな・w・ 俺らがラグオルからみて宇宙人だし-w-;」
ノエルとクミの発言に、一瞬否定しようとしたレミだが諦めた。
 「とりあえず、全員アンティで元にもどすぞ・w・!」
病院中を駆け回り、正気に戻しながら情報を集める。


さらに10分後…海鷹総合病院・院長室…

 「院長室で最後だな・w・」
 ノックをするも反応がない。ドアを引き扉を開けるとそこには…
室内を彩る装飾品の数々が粉々に砕かれ、壁には無数の亀裂が走っていた。
 「な・w・!?」
KAIOH院長にアンティとレスタをかけ意識を取り戻す。
 「ぐぅ…!?ぐ…軍部…が…」
それだけを言い再び意識を失った。
 「なんだ?何が起きている・w・?」
 「軍部の仕業さ、エリスさんの身柄を拘束するとかいってたな。」
H.G.Sでの傷が未だに治らないのかよろめきながら、入口の扉によりかかるNozomi-dpt,の声であった。
 「のぞみぃ、傷だいじょぶなの?」
 「ああ、それよりエリさんを追いかけるぞ…」
心配そうに見つめるノエルをよそに、痛みにこらえながら地下駐車場に向かう一行。
ノゾミが運転・後ろにノエル、クミ、マリア、レミが乗る形で、車による追走劇が始まるのであった。


パイオニア2・ハイウェイ…

 「エリスさん似の襲撃者が、H.G.Sを襲ったのは覚えているだろう?」
 「うん」
 「嫌な予感をして入院してる間、総督府内部と軍部から犯人に繋がる手がかりを探していたんだが…
 『A.N.G.E.L.S計画』という謎のプロジェクトを、軌道に乗せるために軍部の動きが激しくなっているのを
 確認し総督府に、告げようと思った矢先にこの襲撃というわけさ。」
 「つまり、のぞみぃの調べでは軍部がきな臭いって事かな。」
 「そうだな。」
ノゾミとノエルが話しながら、交通量の多い高速道路を颯爽と駆け抜ける中背後から警報が鳴り響いてきた。
 「ね〜警察がおいかけてきてるよ〜?」
マリアが後ろを指差しながら話かけてきた。
 「総督府警察って軍属所属だったな。チッ…よりによって最狂の名で有名な『海の藻屑』だ。
 絶対に捕まるなよ?最悪、警察と戦うことになるぞ。」
レミが鋭い瞳で、パトカーを睨みつけながら戦闘準備を始めた。
 「…飛ばすぞ!」
アクセルをめいいっぱい踏み込んで加速しパトカーを引き離そうとする。
 「前の車両、スピード違反だ!停まらんと撃つぞ!」
 「さらに加速する…だと!?」
 「藻!運転を頼む!」
 「屑が!まかせとけ!」
 運転手ランツェが警告し、助手席のリライズがヤスミノコフ3000Rを構える。
発射されるヤスミノコフの射線を先読みし、車線変更するノゾミ。
標的を外した弾丸は前の車の後輪に当たりパンク、スピンしだした車にパトカーがつっこむ。
 「っ痛ぅ〜…」 
 「藻が!」 
 「屑が!」 
 「「HAHHAHA!!どんまい!!」」
 スピンした車の運転手と頭から血を流しながら這い出てくるランツェとリライズ。
肩を組み合い、励ましあうランツェとリライズであった。
 「よし、振り切ったな・w・」
そうレミが告げた瞬間、黒い弾丸のごとく動く物体が、車両前方に体当たりし破壊音と共に
車両が高速回転でスピンしながら、ハイウェイの中央分離帯に激突し停止するのであった。
 「…痛っ…みんな大丈夫か?」
 「う、うん」
 「…いたた」
 「きゅ〜>▽<」
 「ああ…なんとかな。」
這いずるように、壊れた車両から5人が血を流しなら脱出してきた5人に向かって先ほどの黒い物体が
ノゾミ達に向かって近づいてくる。…物体に思われたのは、全身を黒に塗装されたキャスト・空の姿だったのだ。
 「ほっほほ…軍の邪魔をするとはいい度胸だな…邪魔するなら容赦しないぜ?」
 5人全員が武器を取り出し立ち上がろうする暇さえ与えずに、黒い弾丸と化した空の当身によって
マリアとクミとノエルを気絶させられるのであった。
 「ちぃ…!」
ノゾミがヤスミノコフ2000Hを発砲するが、圧倒的な速さで動く空に当たるはずもなく一瞬で横に移動した
空の拳の一撃が、ノゾミを空高く吹き飛ばした。
 「止めだ!」
 「こっちを忘れるなよ!ラフォイエx2!」
追撃をかけようとする空に向かって放たれたレミの一撃が、煙幕となり空の視界をさえぎる。
 「こ…のっ!」
 レミに向かって襲い掛かる空に向かって放たれる、ノゾミの3発の弾丸が見事に空の側頭部に命中し
空を膝づかませた瞬間を狙い、レミの全力を込めたグランツが空の全身を刺し貫いた!
 ドガアアアアアアアアアアア!
という炸裂音と共に、空の全身が焼き焦がれ倒れふすかに見えたが…
 「ほっほほほ…。やるじゃないか…。ハアアアアアア!」
 「・w・!?」
 空が怒りに任せて吼えると同時に、漆黒の闇のフォトンが空の全身を包み込み全身をより漆黒に染まった
鎧に作り上げたかに見えた。
 「今は、足止めが先決だ。…お前達の相手は、次の機会にしてやる。爆砕震(バクサイシン)!!
 空の両拳を、ハイウェイに叩きつけると同時に巨大な地震が起こる。
惑星ラグオルの衛星軌道上に浮くパイオニア2に、地震が起きるわけがない…
そう、この地震は空の身体全身が超高速振動することによって引き起こされたのである。
衝撃に耐えられなくなったハイウェイはもちろん、周辺の建造物も崩壊し道路を完全に陥没させたのであった。
 「ほっほっほ…悪く思うなよ。」
ハイウェイから、落ちていくノゾミ達を眺めながら、空は先ほどの高速移動で現場を去っていく。
騒ぎをかけつけ、警察と救急車が到着したのは数十分後のことだった…


エリス拘束の翌日…海鷹総合病院…

 警官リライズに事情聴取を受けるレミ達
 「のぞみぃはまた入院だね><;」
ノエルがそんな事を言ってると、ドアを叩く音が聞こえる。
 「屑、事情聴取は終わりだ。」
 「藻か、そこの人は…総督府絡みか?」
 警官のランツェと一緒に総督府暗部のイリアが入ってきた。
ランツェが頷き、終わりだと言わんとばかりとリライズと共に病室からでていく。
 「総督府調査部のイリアだ」
 「調査部とは名ばかりの暗部の人間が…ノゾミの事といいどうなっている?説明しろ・w・!」
レミをなだめ、イリアが椅子に座る。
 「G.H.S事件後、ノゾミ君はハンターズ兼総督府暗部の人間として動いてもらってたんだ。」
 「ほう?」
 「軍部の一部の兵隊が不穏な動きを開始しだした。A.N.G.E..L..S計画といわれるものだ。
 どういった計画なのかは分からないが、本来総督府でエリス=シンフォニアを身柄を保護するための
 書類を奪われ、軍がエリスを拘束している。」
 「それは、こちらとしても知っている。」
病室にいるレミ、ノエル、マリア、クミ、ノゾミ全員が同時に頷く。
 「そこでだ。現在状況確認のため、スパイとして一人乗り込んでいるが人手が足りない…
 これは、総督府命令である。
 レミ、ノエル、マリア、クミ、ノゾミ5名は本日を持って総督府暗部の人間として働いてもらいたい!
 なお事態が収まるまでの期間のみであるがな」


エリス拘束から一週間後…軍部WORKS第三軍事研究所地下…

 「ようやく着いた…。」
 数多くの警報装置の中を潜り抜けた疲れからか、総督府暗部所属の赤髪の少女ノノが軽く息を吐く。
現在もっとも疑わしいとされるラグオル地表に建造された軍部WORKS内施設に潜入しているのである。
 「のほほほ…総督府命令とはいえ、エリスはどこにいるのかねぇ。」
 モニタールームに無事潜入することに成功し、でエリスの現在位置を探しだしていた。
しばらくすると、右上のモニターに動きが見られた。
 「結構簡単ね♪…ん?おっと発見!例の黒服軍団のが、いるわね。
 あの服は、将軍?とりあえず…音声チェックと保存開始っと…」
研究所の一室と見られる部屋でランディース・ハルマー大佐達が入室してくる。
 「将軍、エリス=シンフォニアから抽出した遺伝子を元に解析を進めた結果、例の計画…
 『A.N.G.E.L.S計画』が軌道にのりそうです。」
 「うむ…」
 初老を迎えた将軍が虚ろな瞳で、ハルマー大佐を迎える。
一瞬にして異変に気づいたハルマー大佐が将軍に駆け寄る。
 「将軍…!?これは…洗脳されてる!?」
 突如、将軍の後ろから黒い空間が開き、黒いハンタースーツを着た少女と博士が現れる。
ツインテールに強き意志を秘めた蒼き瞳をした黒服を着た少女エリス=シュヴァルツァーである。。
 「そう…私がやったの…くすくす」
 「お前は、エリス?…いや、違うな。この禍々しいフォトンは…何者だ。」
 「我はエリス=シュヴァルツァー。お前達にも我らが野望手伝ってもらうわよ…」
 「フザケルなよ。何を考えている!?こいつらを捕獲しろ、空!」
 ランディース・ハルマーの合図と同時に、空が黒い弾丸となりシュヴァツァーに迫った瞬間
何が起きたのか、その場にいたBLACK BIRD隊全員理解できなかった。
 「何も聞かずに、襲い掛かるとは野蛮ね…人の話は最後まで聞けと教わらなかったのかしら?」
 馬鹿にしたような瞳で、地面にたたき伏せた空を一瞥した後、足蹴にした。
その一撃は凄まじく弾丸の如き速さで吹き飛ばされた空を、ハルマー大佐が受け止めるのであった。
 そして受け止めた空に、ある異変が起きている事に気づくのであった。
それは先ほどの出来事を一瞬にして理解させるには十二分すぎる事実を物語っていた。
空の装甲が拳の形にめり込んでいたのである。
 「さて…話をしていいかしら?」
 「なんだ…?」
 「話は簡単。A.N.G.E..L..S計画完成のために、実験体になりなさい。
 うまくいけば、あなた達の計画を大幅に進行させられるわ。悪い話ではないでしょ?」
 「…我々自体が、すでに実験体であるのは知っているのか?」
 「無論。それでも、足りない。貴様らは、未だに未完成なのよ。」
 「………。」
 「フヒッ…。そういきり立つな、ハルマー大佐。
 ワシにまかせておけい。ちょちょいと、人の枠組を超えた怪物にしてやるぞぉ…ヒヒ…フヒヒヒ」
 「待て、それは本当に我らの軍部の崇高な計画達成に役立つのか?
 オスト博士…あなたの行動を見る程、軍部の目的と違ってみえる。
 そう…あなたの行動は、新生物を生み出すためだけの実験に集約されているかのようだ。」
 「フヒヒ…ワシの目的は、その通りだよ。さりとて、何も軍部の目的には反してはいまい?
 ワシのおかげで、お前達BLACK BIRD隊の面々は軍部最大の攻撃力を誇る軍団になれたのだぞ。」
 「その通り。だが、その実験のために、数多くの同胞の命が消えていったのも事実。」
 「それはしかたあるまい。技術の発展には、犠牲は付き物じゃよ…クヒィ
 お前達も、それを理解したうえで、実験体になったのだろう…ヒヒヒヒ。」
 何かさらに言い募ろうとするハルマー大佐の視界を遮るように、シュヴァルツァーが前に進み出る。
説得を試みるオスト博士と違い、その瞳に写っているのは---侮蔑ととれる感情。
何だ…?と怪訝な表情を浮かべるBLACK BIRD隊全員の顔を見回し、鼻で笑い続ける言葉に全員が息を呑んだ。
 「BLACK BIRD隊の意思など、どうでもいいのよ。貴様らは、ただの実験のために存在するモルモットにしか
 すぎないのよ。自らの意思など持たず、従順に、妄信的に、その身を捧げなさい…。」
 「な…に…!?」
 「お前達は、『A.N.G.E.L.S計画』を完成させるための実験動物にしかすぎないといっているのよ。
 軍部のためでもなく、私のためにたのその身も、心も全て捧げろなさい。理解できたかしら?実験動物諸君。」
 「ふ…ざけるなっ!!」
 ハルマー大佐の裂帛の怒りと共に、BLACK BIRD隊全員が一斉に動きく最大かつ最強の一撃を
シュヴァルツァーに放たんとしたその刹那…幾筋もの閃光が駆け巡る。
 「カウントレス・ペネトネイト…」
 それから僅かに遅れて、BLACK BIRD隊全員の切り裂かれた箇所から血を噴出しながら倒れこむのであった。
あまりの速さで繰り出される手刀によって、切り裂かれた事実にも気づかずにシュヴァルツァーをにらみ付けたまま
倒れこむBLACK BIRD隊一行であった。
 「フッ…さすがだな。シュヴァルツァー…クククッ…」
 いつの間にか、入口のドアに寄りかかる様にキリークが立っていた。
 「フン…血の匂いに誘われてきてんじゃないわよ。」
 「フッ…戦いこそが、我が人生。闘いこそが、生き様。血の匂いを嗅ぐたびに、命を実感するのだ。クク…
 ハッハハハ…ククク…興奮してきたぞ。シュヴァルツァー…!より強き者との死合こそが、喜び…
 貴様を食わせろ…クハッハハハハハ!」
 血の臭いに充てられたかキリークの瞳が、狂喜に血走りシュヴァルツァーに迫りかからんとする。
 「私が相手でもいいけど、紛れ込んだネズミを退治してからにしてくれないかしら?」
 監視カメラの方を向きながら、シュヴァルツァーが獲物を見つけた狩人のような笑みを浮かべた。
 「…気づかれている!?」
 ノノがそう思い逃げ出そうとした瞬間、別のモニターに歓声が巻き起こるのを確認し息を飲んだ。


同時刻…軍部WORKS第三軍事研究所演習室…

 コツコツコツ…と靴の足音のみが聞こえ壇上に将軍の声が高らかに聞こえる
 「諸君…我々はついに立ち上がる時がきた!!」
演習室に集められた数多くの軍人達がざわめく。
 「無能なる総督府政府に変わり、我々軍部主導による軍事国家の設立を、ここラグオルに築こうではないか!」
 軍人達の動揺がしだいに大きくなり、一人の軍人が反論する。
 「馬鹿な!?我々は惑星ラグオルを新たな居住地としてきたんだ!」
 「無論、その通りだ!しかし、君たち考えてみたまえ。
 現在総督府は数多くのハンターズを使い、地表を調べさせている。
  本来ならば、個人で動くようなハンターズではなく我ら軍部による大掛りな地表探索が望ましいのだ!
 それに比べ軍部がやらされている事はどこまでも裏仕事…」
グッと力を溜めるようにして声高らかに将軍は続ける
 「ラグオルが居住地となった時、ハンターズが大きな地位を占め我々軍部は相当ひどくなるだろう!
 現にパイオニア2全体を騒がせる数々の騒動!個人のハンターズに任せてなどいるから治まらんのだ!」
 だからこそ、無能なる総督府を蹴散らし、我々の手に力を平和を勝ち取ろうではないか!」
研究室に備え付けられているモニターを見ながら、シュヴァルツァーが微笑しながら見つめる。
 「道化のくせによくやるわ…さて、私も仕事をしましょ。
 キリーク…あなたの望む戦いを用意してあげましょ…フフフ。」
 「フッ…」
 シュヴァルツァーが漆黒の空間を生み出し、溶け込むように消えた。
その様子を片目で見ながら、ノノは先ほどの将軍の様子に視線を向けなおすのであった。
 「例え、母星コーラルを居住しつづけれない程破壊した諸悪の権現10ヶ国連合が戦争をしかけようとも、
 コーラルの悲劇を繰り返さないためにも我々は立ち上がるべきだ!
 無論、その力は今我々の目の前にある!そして彼らと同等かそれ以上の力を分け与えよう!!
 我らが力の象徴!黒き闇を纏いし黒鳥!BLACK BIRD隊の如き力を…否!
 さらなる飛躍を成し遂げた圧倒的な力をだ!その進化した力の片鱗を今、見せてあげようではないか。」
そして天に拳を掲げ叫ぶ。
 「いでよ!」
 将軍の指し示す方向に、突如黒い漆黒を思わせる空間からシュヴァルツァーが登場し軍人全員が
驚き視線が集中するのを確認したシュヴァルツァーの瞳の色が赤から紫に変わる。
 「さあ、血と欲望に塗れた世界を破壊し始めましょう。」
紫の瞳が会場全体を包むほども輝いた。
 「さて、軍人達の洗脳も終わり。私達はさらなる力を手に入れる…フフフ…」


軍部WORKS第三軍事研究所地下・第23モニタールーム…

 シュヴァルツァーが消え去ると同時に、ノノが正気を取り戻した。
 「なんてこと…」
衝撃の内容映像を録画し終えたノノは、本来の目的であるエリス=シンフォニアの場所を探し出す事を
思い出した。
 「…いた!場所はさっきの場所からさらに地下深く…B10Fね…のほほ。」
 エリス発見と同時に、警報音が鳴り響く。
WARNIG!WARNIG!WARNIG!WARNIG!WARNIG!
研究所内・23モニタールームにて異常事態発生。異常事態発生。
ただちに、現場に急行せよ。繰り返す…第23モニタールームにて…
 「のほっ…見つかった!」
 録画内容をしまい込み、ノノは走り出した。
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