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Bland New Tea☆Time♪

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このページは、管理人が書いたPSO小説となります。
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Phantasy Star Online Destiny 本編20話pso-novel

「悪意の黙示録」
 その日、世界は悪意に覆い尽くされた… 
さながら予め定められた運命の様に、破滅への警鐘をならす黙示録さながらに。
風が世界の終わりを告げる様に吹き荒れ、雷が死が蔓延するのを嘆くかの如く轟き…
植物は恐れ慄き動けぬ体を震わせ、原生生物の群れは逃げ惑う。
 しかし悪意は逃しはしなかった。
空高く舞い落ちるターバントの群れは、1mほどの自らの身体を空中で分解し黒い嵐となり、悪意の雨を降らす。
おお…なんという事であろうか。
雨に当たった原生生物…モグラと熊を足して2で割ったような外見のブーマ、ゴブーマ、ジゴブーマ達は
もがき苦しみ…突然の激痛に咆哮をあげる。
急速な肉体の変貌…ブーマとゴブーマが四つん這いでもがき苦しみ身体が硬質化…腕が巨大なヒレの様に…
よく当たった背中は甲羅の様に…それはまるで二足歩行で歩く亀…バートルとバーブルに変化していく。
対して、ブーマやゴブーマよりつよくリーダー格のジゴブーマは怒りの咆哮をあげ、天を睨みつける。
高く掲げた腕は細く全てを切り裂く鎌の如く…天に仇なすために肉体は細く足はより高く飛べる様に…
ジゴブーマはカマキリに酷似した姿トーロウに変貌を果たしていた。
己がその時思った感情に添うかの如く…それは悪意によって生まれた「A.N.G.E.L.S計画」そのものであった。


パイオニア2…

 「ん…風が強くなってきたな。みろ雲まで黒くなってやがる。」
 「おいおい…もう雨ふって…いやなんだアレ…黒い…雨?」
 「おい!この雨変だぞ…フレームのフォトンバリアが反応してやがるぜ…」
 「ああ…パイオニア2修復作業を一時中断!ハンターズ総員、内部に退避だ!」
 黒い雨にザワザワ…とハンターズが話しながら駆け足でパイオニア2に戻ってくる。
惑星ラグオル特有の雨なのか…先ほどから強くなる大気を震わす心臓の鼓動に、言い知れぬ不安を感じながら
逃れるかの如く速やかに、内部に避難していく。
 そして、人々はついに見てしまった。
恐るべき光景を!
悪意が現実となり、牙を向き始めた現場を!
 「おおお…」
 「な…なんだよ…おい…まて…まてまて…」
 「ヒッ!」
ブーマ達が目の前で変貌し、原生生物本来の本能ではない…明らかに意思と解る悪意ある目で
ハンターズを睨みつけ、吠えた!
 「ゴオッアアア!」
 「ゴウッオオウ!」
 「キシャー!」
 恐るべき事に、規正の取れた軍隊の如く隊列を組みパイオニア2へと押し迫ってくる。
人々の感情に溢れるのは恐怖…そして絶望…
ハンターズという希望を押しつぶさんとする千億の絶望の群れが、パイオニア2に押し迫る!
 「総員!戦闘準備!目標…目の前!パイオニア2を死守せよ!」
 「えっ…は、ハイ!」
 「いいな!決して諦めるな!友を仲間を…家族を守りたいなら戦うんだ!」
 絶望に屈せぬ様に、己の意思で運命に立ち向かう勇者の如くハンターズは武器を手に取る。
そして…戦いの幕は切って落とされた。


坑道…エリア2…

「やや…しかし、静かすぎる…軍部の人間はいたにはいたが…機械生命体によって拘束されている
 何かおかしい…おまけに、機械生命体も危害を加え様としないし…
 さっきの巨大な地震もきになる…むむむ…?」
  maxamが、今回の大規模作戦のおり、依頼者の懸命の願いにより規律を破り地下深く…坑道エリアまで
降りていった折の事である。
 依頼者エリ=パーソンのたっての願いは、メールで知り合った知り合い…カル=スと会うこと。
しかし、その願いを叶えるには、今回の作戦に参加するしかなく…ましてや一般人であるエリの身には
到底叶える事のできない願いであった。
 友達…いや、エリ=パーソンの心の中ではすでに恋心が芽生えた相手であったのであろう。
カル=スが坑道にいる…それは、軍部の人間を意味するのか…エリス達の兄弟達の様に拉致されたか…
それとも、エリ=パーソンを罠にかけるためなのか…
解らぬまま、危険極まりない依頼に付き合い、守りながらなんとかここまでたどり着いたのである。
 「ここは…?」
 「カル=ス…やっと会えた…やっと会えたのに…そんな…」
 『やあ、エリ。間に合ってくれてよかった…ようやく会えたね。
 機械生命体の制御も無事…成功した…みたい…だ。
 しかし…困ったな…時間…ない。
 ゆっくり…話を…した…かったけど…消えてしまう…前に…私…話…聞い…てくれ。』
 maxamもエリ=パーソンも、カル=スの姿を見て驚き言葉を失っていた。
ヒューマン、キャスト、ニューマンではない…軍人でもエネミーでもない人物。
坑道に溢れる機械生命体でもない…巨大なコンピューターそのものであったのである。
 もし、この場にエリス=シンフォニア達がいれば、同じく驚いた事であろう。
コンピューターが喋った事にではなく、巨大なコンピューター「カル=ス」に表示されているモニターの
エンブレムに…エリス達の持つ銀時計戦乙女の加護(ヴァルキリエ・リーベ)の紋様が
浮かび上がっていた事に…
 『A.N.G.E.L.S…計画は…最悪の結末で…完成してしまった…
 しかし…望み…消えて…ない。
 レッドリング・リコ…見つけた…あの碑が…真の救い…鍵…時間…ない。
 エリ…さ…ごに…あ…て…うれ…』
 「まって!まってよ!カル=ス!終わりなんていや!そうだ…バックアップ…バックアップさえ
 あれば…きっと…」
 走りより、高速でキーボードを叩きバックアップを作り上げていく…
エリの必死の作業より、maxamの表情には奇妙な疑問が浮かんでいた。
 (A.N.G.E.L.S計画…?鍵…?碑?
 それよりも、カル=スの存在だ…なぜ、こんなにも警備が薄い?
 カル=スの操作にしても出来すぎている…)
 maxamが考え込んでいると…突如の殺気に条件反応する様にエリ=パーソンごと押し倒していた。
ドンーン!と壁に重いモノが当たった時の嫌な音が、一瞬遅れて響く。
パラパラ…ガラガラッと降り注いでくるのはガラスと機械の部品達…
カル=スが破壊されたと直感的に感じながらも、maxamはエリ=パーソンの無事を確かめる。
 「…ヒッ…」
 「…?」
 下敷きになっていたエリ=パーソンが声もだせないのか目を見開き、頭上を指さしていた。
その方向に顔を向けた時maxamも目を見開き、事情を飲み込めた。
ちょうど首があった所を通過する様に、巨大な鎌ソウルイーターが刺さっていたのであった。
 「クククッ…いい反応だな。」
 「ああ…暇つぶしぐらいにはなるといいが…」
 「ククッさあ…立て…待ってやる。」
 「お…お前達は…」
 それは…キリークによく似た3体のキャスト…エリスがかつて戦ったキリークのコピーであった。
かつてとは違い、キャストらしからぬ歪んだ表情を浮かべたフェイス。
空間を歪めるほどの狂気と闇を守っていた。
 「キリーク?!」
 「フッ…違うな。我らはケルベロスVer2…ってヤツだ。」
 「な…なんでここに…」
 「フン…重要施設には、相応の警備が必要だろう?」
 「ここは我らが…いるだけで十分なのだ。」
 「クククッ…軍部の奴らがいれば殺して暇つぶしにはなったかもしれんがな…」
 殺気を撒き散らしながら、ゆっくりとケルベロスが近づいていく。
現状では勝ち目はない…ましてや依頼者を守りながら、ここから無事脱出できる可能性は低すぎた。
そう悟ると、maxamは立ち上がりテレパイプを出しセイバーをケルベロスに向ける。
 「はやくいってください!時間は稼ぎます!」
 「は、はい!」
 バックアップを手にとってテレパイプに向かうエリに向かって、ケルベロスが瞬時に間合いを詰め
maxamとエリ=パーソンの首をはね飛ばさんとした一瞬!
まばゆい光と共に、2人は消えていた。
 『どうか…無事…で…』
 「…逃げたか。」
 ケルベロスの呟きと共に、電源の切れたカル=スの本体がズッ…と滑り落ちる。
斬撃の生み出す真空波が、後方のカル=スをも切断したのである。
防衛任務失敗にも関わらず、ケルベロスは笑みを浮かべていた。
 「…防衛任務失敗したわりには、楽しそうだな?」
 「フッ…貴様らこそ。逃がした意味ぐらい解っているくせに…」
 「ククッ…情報の重要高さ故に、奴らも今まで以上に本気になってかかってくるだろうな。」


森林エリア2…セントラルドーム周辺…

 「ここだ…」
 パイオニア2へと向かう途中、ロイドが立ち寄らなければならないと言って向かった場所…
パイオニア1が持ち込んだ見慣れた観測機器とエリアを区切るためのフェンス以外は文明の痕跡が
一切見られなかった惑星にあった不自然な建築物…否、モニュメントといったモノが立っていた。
赤黒く鈍く光る高さ5m程の高密度なソレに、エリス達は引き寄せられる様に近づいていった。
 「俺達が、レナとリコ達が最初に調べたのがこれだったな。」
 「ええ…地表上に一切の文明の痕跡が残っていない中、不自然に残る建築物。
 しかも面白い事に、ロックベアや原生生物が守る様にコレは存在していたの…」
エリス達の母レナが、うっとりと目を細めながらソレを見つめ触る。
 「一切錆びることもなく、コレが何か調べると何か調べていくうちにコレは一種のコンピューター
 そう、超高密度かつ精度の高い機械だとわかったのよ。
 外装部分に彫られた文字に一定の規則性がある事から、この惑星の先史文明…
 いえ私たちと同じく外宇宙からきた生命体がここに設置した可能性が解ったのよ…。
 そして、これが封印装置だと気づかなった…」
 「ああ…パイオニア1にでる行方不明者が、この封印装置の開放と同時に増えていった…
 俺たちは、その事に気づき封印装置を停止させようとした時…すでに遅かった。」
 ドンッ…と封印装置を叩き、ギリッと奥歯を噛み締めるロイド。
その目に後悔と、怒りの炎が燃えていた。
 「もしかして…あのパイオニア1のあった大爆発って…」
 「ああ、そうだ。あれは封印装置全てを開放したせいだ!
 森、洞窟、坑道にある3箇所の封印装置を停止させればと思ってついてみれば!…クソッ!」
 エリスの問いに、ロイドがまったく動かない封印装置を睨みながら答えるのであった。
そして、新たな変化が起きた。
ブォォン…という音と共に、ロイド、レナ、エリス、K's、ミミそれぞれの銀時計が輝き始める。
 『ムゥト』、『ディッツ』、『ポウム』
 それと同時に5人がほぼ同時に、3つの単語が頭に浮かび無意識に呟いたのであった。
封印装置が、凄まじい閃光を放つと同時に脳内に文字…否、言葉が流れ込んでくる。
 『運命の糸はそれぞれの意思をもって交わる…
 今まで歩んできた過去…
 進むべき道を決めるための現在…
 全てにおいて過程があり…現状を指し示す今がある…未来を決めるは結果でしかない…
 故に、今を変える意思を持つ者よ…大いなる光の意思を継ぐ子達よ…
 ムゥト、ディッツ、ポウムは希望の光。
 運命の三女神の力を宿し子達よ…時は来た。
 今こそ、全ての封印を解き放ち…暗黒の破壊神ダーク・ファルスを討つのだ!』

 封印装置から立ち上る光は、空を埋め尽くすターバントの群れを切り裂き上空1万mで、
球形のエネルギー体となり爆散し世界中へと飛び散った。
それは無数の光の矢と化し、マグを所有する全てのハンターズへと降り注ぐ。
引き起こされたのは、マグの強制進化と武器の上位互換変化。
それはまるで、エリスの銀時計『戦乙女の加護』の持つ効果と同じであったのである。
 『光の子達よ…宿命の刻は終わりを告げ、運命を切り開く新たな刻を紡ぐが良い…武運を祈る。』
 光の意思が遠ざかると同時に、新たな脅威が迫り来る緊急警報アラームが、左腕の通信デバイスを通して
流れ込んできた!
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