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Bland New Tea☆Time♪

Bland New Tea☆Time♪

このページは、管理人が書いたPSU小説となります。
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PSU(Phantasy Star Universeの略称)は、SEGAの登録商標です。
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なお小説の内容は、ゲームの攻略等を示す物ではありません。
小説はオリジナル要素を、多分に含みます。ご了承の上お読みください。
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なお小説内に登場する企業・組織・団体は架空のもので、実在する企業・組織・団体とは無関係です。

Phantasy Star Universe Concert 本編07話pso-novel

「Whereabouts of wind(風のゆくえ)」
  雲は流れる。
--風が吹く。誰も、風のゆくえを、流れる雲のいく先を知らぬ。
ただ、流れに身をまかせ、風に吹かれて、いざなわれるまま流転を重ねるのみである。
 人もまた大きな時のうねりには逆らえぬ。
時のうねりは、運命の、宿命の風となりて人々を招きいれ、また引き裂く。


…イェルハルト総合病院。

 「…ぅあ…。」
 エリス・シンフォニアはうなされていた。
それはいかなる夢か?
汗を流し苦しみにもがく様に、胸の前の服を無意識のうちに掴み喘ぐ。
 「……SEED…お前は…お前は……誰…ダ……ク・ファルス……?」
ビクンッ!と体が反応し、突如目を覚ます。
 (………何、今の夢?)
目覚めると同時に、上半身をあげる。
 「あっ…ぐっ…!?」
 ズキンと痛む体に手を当て、自分の体に包帯が当てられている事に気づいた。
包帯は、体全体を覆う様に巻かれていた。
  (………私は、ニューデイズに落下して…それから…)
状況が掴めぬまま、困惑に陥ったエリスは思考の整理を始めようとした時である。
 「…目が覚めた様ね?エリス・シンフォニアさん。」
 くすっと微笑を浮かべながら、小柄なニューマンの少女の声が聞こえる。
その声のする方向を見ると、プリンを食べながらこちらを見ていた。
 「…あなたは?」
 疑わしい者を見る様に。警戒心を湛えた瞳でそのニューマンの少女を見つめる。
 小柄な体型と雪のように白い肌が、どこか儚くもろい存在を思わせるが…
ブレイブスジャケットに白と黒のゴジゴッジショートパンツというラフな格好が、彼女を活発な
少女を思わせた。
 雪のように白い肌と、情熱の炎を宿したような赤い瞳が、普通のヒトと違う印象を与えた。
 「あ、ごめんw自己紹介はまだだったね。」
 明るい声で、少女は微笑を浮かべ会釈をする。
 「はじめまして。私は、フィー・イェルハルト。ガーディアンズ粛清課所属よ。」
その仕草一つ一つが、上品さを漂わせていた。
 (粛清課…?知らない部署だ…。
  でも、なんでそんなヒトが私の所に…?それにしても…
  このヒト…ただものじゃないわね。動きにブレがない…)
 フィーの立ち振る舞いを見て、エリスはそう感じ取っていた。
そのフィーの様子を観察するエリスに、警戒されていると思いフィーは朗らかに話しかけるのだった。
 「ああ、別に警戒しなくていいのよ。
  あなた達を助けたついでに、ちょっと状況を聞こうと思っただけだから。
 とって食おうとか、そんなんじゃないからね。」
ふむっ…と思い、フィーの瞳を見つめ微笑を浮かべエリスも挨拶するのであった。
 「ああ、あなたが助けてくれたんですね。ありがとうございます。
  はじままして。私は、エリス・シンフォニア。よろしくね。」
それから少し話をする間に、お互い打ち解けあい仲良くなっていったのだ。


…2時間後。

 「ちえちたクエスト9もうすぐ発売だねー♪」
 「楽しみよねー♪」
 すっかりお互い仲良くなり、ゲームやドラマなど共通の話題を見つけあい和気あいあいとしていた。
突如、エリスはハッと思い出した様にフィーの肩を掴む。
 「マリアちゃん、meiちゃん、リフルは大丈夫なの!?」
そう叫ぶと同時に、エリスの全身に激痛が走る。
 「ぐぅ…。」
 エリスをベットに休ませながら、現状の説明を始めた。
 マリア、mei、リフルは無事である事。
3人は、すでに目を覚まし検査も受け終わった事。
 「…って事は、私が一番最後に目を覚ましたわけ?」
ほっとしたのか、全身から力が抜けるエリスであった。
 「そうなるわね。ところでエリス、質問があるんだけどいい?」
 フィーは、エリスが救出されるまでに起こった事を聞き出そうとしていた。
無論、エリスには隠し立てする事がないのでありのままに喋る。
その会話を聞いていたフィーが、気難しい顔をしてエリスを見つめる。
 「どうしたの?うちの説明が下手だったかな?」
ふるふるっと顔を横にふり、フィーは口を開いた。
 「3人の証言と、リフルの戦闘データによる記録をみてみたんだけど…。」
カバンの中から、詳細なデータが書かれた書類を取り出し見つめる。
 「みてみたんだけど?」
 何かあったのかと、不審げな瞳でフィーを見つめる。
 「んー、それぞれの証言と戦闘データに色々な欠損が見受けられるのよね〜。
   現場にいたグラール教団の警衛兵全滅…。
   そして戦闘記録から『7人』のデータが得られている。」
ピクッと顔を動かし、フィーを見る。
 「『7人』?」
 「そう、7人。エリス達以外に残り3人生き残っているってわけ。
  しかし、リフルの戦闘データには肝心の3人の映像が消えている。
  見事なまでに、違和感もなく消されているの。
  見られたくない記憶をまるで抹消するかの様にね。
  しかし現地でエリス達を救出した時の、戦闘痕跡からも7人分見つかっているのよ。」
エリスとフィーは、お互いの顔を見つめあう。
 「エリス、何か覚えてない? このSEEDを消し去った銃器も関係あるのかしら?」
 ナノトランサーから銃器を取り出し、エリスに見せる。
それと同時に、エリスは頭に激痛を覚える。
 「うぐぐぐ…」
 頭に両手をあて、激痛に耐えるエリス。
 (思い出そうとすればするほど、激痛が襲う…頭が割れる様に痛い…)
こめかみあたりの血管が浮かび上がり、冷や汗を垂らしながらエリスは苦しむ。
 (お前は…お前は…誰だ…。そうだ…お前の名は…。)
 苦しさに息を詰まらせ、呟く様に2つの単語を呟いた。
 「……『レミ=デュナミス』…『フォトン・イレイザー』…」
 乱れる呼吸を、整えながらエリスは深く息をつく。
 「エリス、大丈夫?」
 心配するフィーに、頷き返す。
 「ねぇ、フィーちゃん。父さん母さん、とレナは?」
エリスからの以外な質問に、目をパチクリした後答える。
 「え…?ご両親と、妹さんは残存するPPTシャトルが残りすくなくて手間取っていたけど
  もうすぐ着くらしいよ。」
 それを聞くと、クスリと笑い返すエリスであった。
 「退院はいつになるの?修行もしたいし、調べたい事もあるんだけど。」
フィーの顔をジッと見つめるエリス。
 「検査が終わったらすぐじゃない?
  調べたい物があるなら、実家の地下書庫にいけば、大体の書物はそろってるし
  頼んでもってこさせるか、調べにくる?」
 フィーの提案に、笑顔で答えるエリスであった。
 「ありがとぉー♪これできっと…」
首をかしげ、フィーはエリスを見つめる。
 「これできっと?」
 エリスは答えない。
その瞳は遥か遠くを見つめ、意識は思考の奥底に入り込んだ様だった。


 2人の少女の出会い…。
それは意味のある事であり、真実を知るのは後になる。
いまはただ、風の吹くまま時は流れ、運命の邂逅へむけ流れ吹く。


…ガーディアンズ・コロニー、総督室。

 時は流れ…
 フィーとアルベルトが、ソロル達を救助してから実に一週間を経過していた。
数々の審問や検査を受け、ソロル達の知りうる情報が極めて重要かつ重大な意味を
持つ事に気づかされていた。


 「ルゥ君。一週間に及ぶ調査結果はどうかね?」
 ガーディアンズ17代目総裁であるオーベル・ダルカンが問いかける。
その間に流れる、一瞬の沈黙。
 「残念ながら、調査の進展はほとんどありません…。
  エンドラム機関に、イルミナスついてですが…。該当データがあまりありません。
  エンドラム機関についてですが、同盟軍の軍事機密に抵触するため
  閲覧が禁止されています。
  イルミナスに至っては、600年前に結成されたヒューマン至上主義者の
  秘密結社であり、100年前のデータベースで更新は止まっています。
  なにより組織は、今から100年前に壊滅したはずです。」
 サーバーにアクセスしていた、ガーディアンズの総合調査部のルゥが答える。
総裁の机の前で、両手を組みダルカン総裁はルゥの報告を聞いていた。
 「ふむ…。彼らを民間人として保護し、警護をした方がいいだろう。」
総裁の言葉に、ルゥは待ったをかけた。
 「待ってください。彼女らは、ガーディアンズに入隊したいと言っています。
  彼女らの持つ才能は、採用すれば多いに役立つと思われます。
  警護及び、保護を目的とする場合も、ガーディアンズ側の宿舎で監視員を
  おいてやれば問題は無いと思われます。」
ほぉ、と呟いたダルカン総裁はその案に許可をだした。
 「そうと決まれば、職場の配置を決めねばなるまい。希望は出ているかね?」
ルゥは頷きながら、全員の履歴書を総裁の机の上のモニターに映し出した。
 「ヤヨイ・M・ブルースカイとシリア、Kumanoko-Jですが、装備開発課への配置を希望しています。
  GRMでの開発経験もあり、即戦力として期待できます。
  まりもとリライズですが、機動警備課への配属を希望しています。
  多少おちゃらけた性格ですが、起こりうる問題も含めて想定の範囲内です。」
そして履歴書は、一人の少女をクローズアップして映し出される。
 「ふむ…。この少女が、例の問題の少女『被験体1096ソロル』かね。」
ページが移り代わり、暫定報告書に切り替わる。
 「はい。彼女の処遇ですが…」
 ルゥが、ソロルの経過報告を語り始めた。


…ガーディアンズ・コロニー、待合室。

 身寄りのなかった被験体1096ソロルだったが、もっとも懐いていたフィー・イェルハルト
が身元引き受け人としてソロルの面倒を見ていたのだった。
フィー、ユファ姉妹にとてもよく懐いており、これといった問題を引き起こさなかったが…。
 そう、警報が鳴り響くあの瞬間までは…


 それは警報が鳴り響く、およそ1時間前。
 「ソロルさん。今日は、別の人の検査が終わってないのでしばらく待っていて欲しいそうです。」
 ここ一週間は、フィーが一緒に着いてソロルの検査の立会いをしていたが別の任務で
込み入った事情が起こり丸一日戻れなくなってしまった。
 そこで今日の検査の立会いはフィーのパートナーである、アルベルト・マルガノフが
ソロルの立会い人として着たのである。
 「んに。検査の前に、アイスキャンディーが食べたいです…(*'¬')じゅるり…」
やれやれ、いった表情を浮かべ自動販売機からアイスキャンディーを手渡した。
 「♪♪♪(もぎもぎ…」
 わき目もふらず一生懸命んいアイスキャンディーを一心不乱に嘗め回すソロルを
見ながら、アルは優しげな瞳で見守る。
 (食べている姿を見ていると、ほんと保育園児か幼稚園児ですね…。
  この子を、エンドラム機関やイルミナスが目を付けているとは到底思えませんね。)
 その時、アルの持つ通信機が鳴り響く。


 騒動はまさにこの時から始まろうとしていた。
 「こちら、アルベルト。 どうしました?
  検査を受けていたまりもが卵になって、ラッピーの形態になったって?
  え?問題はそれじゃないんですか…。
  犯罪組織イロケナスによるルームグッズテロが同時多発しているんですか!?
  ガーディアンズの中にテロリストが潜伏の疑い…。了解、現場に向かいます。
  ソロルさんの検査立会いはどうしましょう?…判りました。」
会話が終わったのか、アルがソロルに近づいていく。
 「ソロルさん。すみませんが、突然仕事が入ってしまいました。
  あとで、ユファさんが向かえに来るそうなので検査を受け終わったら待ってて欲しいそうです。
  できますね?」
コクコクとアイスキャンディーを食べながら、顔を上下に動かすソロル。
 「ふに。んににんに。(もぐもぐ…」
 「…ソロルさん。喋るかなめるかどっちにしてくださ…
  って、もうアイスキャンディー30本食べ終わったんですか!?」
一部で食欲魔人と噂され始めたソロルだったが、さすがのアルも驚きを隠せなかった。
 「と、とりあえず仕事に戻るのでおとなしくしていてくださいよ?」
 そう言い残し、アルは再び鳴り出した通信機と会話をしながら走り出していた。


…警報が鳴る30分前。

 アルが仕事に戻ってからの10分で、ソロルはすでに手元にあったアイスキャンディー
3000本を平らげてしまっていた。
 「んんにー。。。ひま…」
 足をパタパタと動かしていたソロルが、突然ある方向を見て立ち上がった。
鼻をスンスンと動かしながら、フラフラと匂いのする方向へと歩き始める。
 「…これは、コロッケの匂いですね…(*'¬')じゅるり…」


それから数分後…

 「ふに…食堂でコロッケ貰えたけど、道が分からなくなりました…。」
 コロッケの匂いを嗅ぎ当て、食堂にはたどり着いたソロルであったが帰り道をまったく
覚えておらず迷子になっていた。
頭を抱えて考えこんでいると、新たな匂いがソロルの鼻が嗅ぎ当てる。
 「ああ、食べ物の匂いがするところにいけば人がいますね。」
 ぽむ、と手を叩き匂いをたどっていくソロルであった。


…警報が鳴る3分前。

 「えーっと…匂いはこの先っと。」
 匂いに気をとられて、壁に大きく書かれいた警告文を見逃していた。
 『WARRNING! 関係者以外の立ち入りを禁じる。セキュリティーLV:1』
 警告文の先には、真っ赤な線引きと共にフォトンフェンスによる進入防止装置が働いていた。
一歩踏み込むと、警告音と共に壁面についていた液晶画面にアナウンスが流れる。
 『これより先は、通常ガーディアンズの進入は禁止されています。
  ガーディアンズライセンスの認証及び、許可書または専用タグを認証してください。』

 「ふに…。帰り道を聞かないといけないし…、使うかな。」
 認証用のカメラ付液晶画面に手を当て、意識を集中する。
 『OS<Ark>起動…アプリケーション<神の箱舟>開始…』
 ソロルの脳内で<Ark>の起動音が小さく響くと、認証システムにハッキングをかける。
 『認証システム掌握完了…ライセンス書き換え及びパスワード認証完了…。』
 そのまま、ぽてぽてと歩きながら、セキュリティーエリアを突破していくのだった。
 「えーっと…。ここかな?」
 ソロルが鼻をスンスンと鳴らし、立ち止まる。
背の小さなソロルの視界には入っていなかったが、入口上には大きく示されていた。
 『セキュリティーLV:10 機密資料保管庫』
 各政府の重要な機密書類や門外不出の技術資料等、表沙汰には出来ないような
数々の文献が保管されている『粛清課・資料室』より高度で最重要機密書類が保管されている。
 立ち入りを許可されるのは、総帥の許可が降りた者でかつ256ケタの違うパスワードを
暗記できる人間で無ければいけないのであった。
 「んんぅ…てぃ!」
 液晶モニターのパスワード画面に、ソロルがチョップをかます。
 『アプリケーション<神の箱舟>開始…パスワードロック解除…認証システム偽装完了…
  網膜照合…音声照合…偽装完了。第一扉のロック解除。』

 バシュ!と扉が開くと中にたまっていた埃がソロルの鼻を覆う。
 「ふぇ…へくちゅん!」
 『生体フォトン情報の偽装…WARNING!WARNING!WARNING!WARNING!
  体内に状態異常発生!偽装失敗!!』

ソロルのクシャミと共に、けたたましい警告音が鳴り響いた!


 「…誰だ!」
 パシュンと、警告のフォトン弾がソロルの真横をすり抜ける。
突如の銃撃に驚いたソロルが足を滑らし、こける。
 「うにゃー!?」
 ゴツンと頭をぶつけると、ソロルが悶えていた。
ごそり、と書類の山から銃を構えたまま中年の男性が油断なくソロルに近づいていく。
 「…君は。」
ソロルを覗き込む中年の男性…それは、フィーの直接の上司である男。
ゲオルギウス・シュナイゼルその人であった。


…ガーディアンズ取調べ室

 警報からすでに5時間が経過。
ゲオルギウスら守衛に回りを囲まれながらの、ソロルの取調べ室で事情の説明が
今終わった所であった。
 「すみません、マスター・ゲオルギウス。こんな事になるとは思ってなくて…。」
平謝りするアルであった。
 「いや、今回は私の指示ミスであった。急用を要する案件が立て続けに起きたせいで
  人手が足りなかったのでね。…しかし、面白いな。」
ゲオルギウスの膝の上で丸くなって眠るソロルの頭を撫でながら、呟く。
 「はい?何がですか、マスター。」
 「フッ…この子ソロル君の能力だよ。
  ガーディアンズ最高セキュリティーの部屋にも簡単に入り込める能力。
  あらゆる傷を一瞬で修復・治療してしまう能力…一線を越える特殊能力の数々。
  ぜひとも、粛清課に欲しいね。」
驚きに眼を大きくするアルに微笑を浮かべる。
 「フィーへの説明は…?」
 「ふむ…そこらへんは私に任せておきたまえ。」


…その次の日

 「…というわけで、今日付けでソロル君は、粛清課に配属となった。
  みんな仲良くしてやってくれたまえ。」
 フィー以外全員が、元気よく返事をしていた。
 (…無理やり納得させられたけど、心配事が増えたわね…。)
 無邪気な笑顔で笑うソロルを見たフィーは、しかたないわねと心で笑いながらソロルを
暖かく粛清課に向かいいれたのであった。

 それは、エリスの、ソロルの、フィーの、新たな始まりを告げる序章であった。
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